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2020年10月7日

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目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 うなだれて呻く僕に、彼女が得意気な顔で両手を腰に置いて、薄い胸を大きく反らす。
 まさに『どーだ!』といわんばかりだ。

 はっきり言って彼女の格好とまるで合っていない。
 僕も合わせる。

「御見逸れしました」

 頭を下げる。
 すると、

 ぽん、ぽん、

 といった感じで、頭の上に手の平が二回乗せられるのを感じる。
 頭を上げると、手を後ろに回してにこにこしてこっちを見てる彼女を見つける。

 とくん、と心臓が脈打つ。
 なんだ、今のとくんって……心の中で頭を振ってから、

「じゃあ次は」

 ふと壁に掛けられた時計を見上げる。
 時刻はあと少しで十二時になろうかというところだった。

 昼食前の最後のアトラクション、といったところだろう。
 続きを口にする。

「次はプリクラ撮ろうか?」

「?」

 まるで意味のわかってないような、怪訝な顔をする。

「……ひょっとして、プリクラって知らない?」

 頷く。

 ――てことは、ひょっとしてバス停に向かってた時のあれは、ただ単に知らなかったから反応しなかっただけなのか? 
 そう考えて、説明を試みる。

「プリクラっていうのはね、友達や……こ、恋人と」
 なんか気恥ずかしくなって口が空回りする。
「う、うん、友達とか恋人とかとやるものなんだけどね。初めに機械の前に立って、ポーズとかをとって写真を撮る。そのあと画面に画像データが出るから、それに落書きとか色々アレンジや遊びを加えてプリントアウトする機械なんだ。ちなみにプリントアウトされた写真はシールになってて、気に入れば好きなところにぺたぺた貼れる」

 納得したのか彼女は無表情にぽん、と手を打つ。

「わかった?」

 頷く。

「じゃ、やってみる?」

 頷く。

 僕が先導しながらプリクラの機械のところまで歩いていく。
 ピンク色のカーテンに仕切られたスペースの中に入り、お金を入れてスタートボタンを押す。
 画面上方に設置されてるカメラを指差して、

「あのレンズで撮るから、そこを見てて。あとは、よければポーズとかとってみ――」

「?」

 とかなんとか僕が言ってる間に彼女は興味津々に体を乗り出して、指差されたレンズを覗き込んでた。
 慌てて言う。

「あ、あのさ……」

 不思議そうな顔つきのまま、首だけでこちらに振り向く。

「そ、そうやって覗き込まれると、僕が写んないんだけど……」

 半笑いしながら説明すると、彼女は再びぽん、と手を打った。
 納得してくれたようだ……。

 僕はほっと胸を撫で下ろし、彼女はくるっと回ってレンズに背を向けて、こちらに歩いて来ようとしたところで、

 フラッシュが炊かれた。

「あ……」

「?」

 三度目の不思議そうな顔をする彼女を前に、今のことをどう説明するかと僕は口元を引きつかせた。
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