拳砕き!佐竹雅昭がUFC準優勝の拳にカウンター! K-1黎明期パトリックスミスを一回戦で秒殺した空手バカ一代の大山倍達秘技の再現!
佐竹雅昭
闘志天翔のい葉を胸に、怪獣王子、世紀末覇王と呼ばれ、格闘技ブームの礎を築き、その力によりあまたある大会、トーナメントで優勝し、その名声、地位を不動のものとした佐竹雅昭。
そんな彼がとある大会の中での1試合で、とんでもない奇跡的ともいえる偉業を達成したことはあまり知られていないように思われる。
拳で拳を破壊する。
それは空手、ひいては格闘技ブームの火付け役となった伝説的な劇画漫画、空手バカ一代の中で、主人公の大山倍達がネバダ州ヘビー級チャンピオン全米4位、世界ランキングにも名を連ねたことがある黒人ボクサー、ヘンリーアーサーと戦った際に、最初の一撃で意識を失い、そのまま戦い、第二ラウンドへ相手がグローブを外し、その一撃で頬がパックリと切られ、トドメの一撃、それに対して何とかしなければと無意識に放たれた正拳によりそれを打ち砕いたという。
まさに漫画の中で炸裂した劇的な瞬間。
ただでさえ真剣勝負の最中、足の3倍の器用さ、速さを持ちかつ動きをする拳を拳で正確に捉え、あまつさや破壊するなどと、あくまで妄想の中の出来事だと想像したことさえなかった。
舞台は空手ワールドカップ93。
正道会館主催の格闘技大会で、前回大会を極真よりやってきたアンディフグに優勝を奪われており、WKA、UKF世界ヘビー級二冠王者として王座奪還の使命を帯びていた。
UFC準優勝を果たすジェラルドゴルドーや拳獣サムグレコ、ムエタイの超象チャンプゲッソンリットなども出場する中、佐竹雅昭の緒戦の対戦相手はアメリカのパトリックスミス。
身長188センチ体重97キロと、大柄な佐竹雅昭185センチ93キロすら上回る巨漢。
円心会館主催のサバキチャレンジ93年の王者であり、さらにK-1グランプリでアンディフグと対戦し19秒の秒殺KO勝ちを果たしたり、UFC2で準優勝を果たすなど、その力はルールの壁すら超えた本物中の本物。
まさに佐竹雅昭にとって1回戦にして立ちふさがるあまりに巨大な壁。
パトリックスミスの拳を粉砕
まずはパトリックスミスが右の中段回し蹴り、さらにはアンディフグばりのカカト落としを見せ、ローキック。
それに佐竹雅昭は内股を合わせ、合わせるスペースが少ないローキックに内股とはなにげに細かい妙技。
間合い詰め下突き、それを嫌ったかパトリックスペースの前蹴り。
どことなく精神的には佐竹雅昭がゆとりがあるような気がする。
パトリックスミスがカカト落としから突進するが、佐竹雅昭は押し込まれながらも的確に下突きを当てていく。
そしてやはりローキックに内股を合わせ、奥足ローを受け止め、そして前足を上げてから踏み込み、振りかぶり放たれた右の正拳中段突き。
それに佐竹雅昭腰も落として迎え打ち――
次の瞬間。
倒れていたのは、パトリックスミスだった。
膝をつき、顔をしかめ、左手でマットをつかみ、そして右手をしきりに気にしている。
それを振り、悶絶。
愕然。
拳で拳を、打ち砕いた。
パトリックスミスが踏み込んだその瞬間、佐竹雅昭も腰をわずかに引き、空間を作り、まるで鏡合わせるのようにフォームを連動、そして左腕に隠された右の拳に、まるで最初から定められた殺陣のように右の拳を合わせた――のだろうか?
そうは思うのだがその瞬間が微妙に捉えられていないので、絶対100%といえないのがもどかしいところではあるが、決まり手も右正拳中段突きとなっているので、まず間違いないといってもいいのかもしれない。
そして次の瞬間にパトリックスミスは弾かれたように飛び退き、右手をかばい、倒れ込み、頭をつけ、手を振り、一本負けを宣告され、審判の指示にあってもなお、その場をピクリとも動くことができなかった。
頭をマットに打ち据え、しきりに拳を指差すその仕草が痛みをこちらに伝えているようだ。
まさに漫画の一撃、居合斬りのような切れ味、その底知れなさ、実力を満天のもとに知らしめた試合だといえるだろう。
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