千堂武士スマッシュのモデル!ドノバン”レーザー”ラドック衝撃K.O!
浪花のロッキー千堂武士
はじめの一歩。
その主人公である幕之内一歩の最大のライバルの1人である、千堂武士。
関西の星として、浪花のロッキー、浪花の虎の異名を持ち、剛腕のパワーファイターとして、同タイプの幕之内一歩を強烈に意識して、怪我で対戦が流れそうになった新人王の時はわざわざ鴨川ジムまで来て直談判するなどの行動力を発揮し、幕之内一歩がタイトル戴冠した戦いでは、凄まじいまでの打ち合いを演じ、ララパルーザ――地鳴りと冠したその一戦は、はじめの一歩の長い歴史の中でも、輝ける素晴らしい名所として知られている。
そんな彼の、代名詞とも言える技が、スマッシュだ。
フックとアッパーの中間の、スリークオーターからのブロー。
その破壊力は凄まじく、フェザー級の千堂武士の一撃で、ミドル級の鷹村守のその巨体をずらしてしまうほどだった。
その後もスマッシュが猛威をふるい、同階級の幕之内一歩の両足を浮かせ、"ホワイトファング"ヴォルグ・ザンギエフに瀕死に近いダメージを与え、その威力を示し続けた。
シンプルにして、唯一無二、その一撃必殺の漢らしい有り様に、憧れた人多いだろう。
そんなスマッシュの使いとして知られているのは、ドノバン・レーザー・ラドックだ。
私は最初知らない時、これが本名だと思っていたこともあり、はじめの一歩の中でもレーザーラドックと言うふうに紹介されている一説もあったりする。
しかし彼の本名はドノバン・ラドックであり、その間にあるミドルネームは、いわゆる異名になる。
レーザー。
カミソリと言う意味のそれは、身長191センチを誇るヘビー級の彼には一見似つかわしくないように思われる。
しかしそんな彼が放つパンチ、スマッシュを見て、そんな考えは一瞬にして打ち壊されることになる。
今回取り上げたいのは1990年4月4日に行われた、WBAインターコンチネンタルヘビー級タイトルマッチ、マイケル・ドークス戦である。
対戦相手にしてその時点での王者マイケルドックスはアメリカオハイオ州アクロン出身のボクサーで、元WBA世界ヘビー級王者であり、45戦41勝2敗2分け27KO。
対するドノバンレザードックは、その時点で24戦22勝1敗1分け15 KO、キャリアとしてはほぼ2倍の隔たりがあると言って差し支えないだろう。
体重はラドックが約104キロに対して、ドークスが約109キロという5kgもの差。
凄まじいまでのにらみ合い、離れるときに腹を軽く叩き、その時の緊張感、殺気が見てとれると言うものだった。
開始と同時に、ドークスはじっくりと中央で陣取り、ラックは軽やかにステップワーク-
そこで第一の衝撃が私を襲った。
ドノバン・"レーザー"・ラドック
うわはやっ
ラドックのなにげに出された左ジャブ。
それが、とんでもない速さだった。
ヘビー級はパワー、破壊力こそ凄まじいものがあるが、スピードは軽量級に劣る、それは常識というか当然なのだが、その自然の摂理を軽く曲げてるんじゃないかと言う位の切れ端だった。
正しく、レーザー、カミソリか…。
104キロとは思えないような軽やかな動きで、ドークスのボディーへのジャブを躱していく。
そして覗き込むようにしたりして、フェイントを交えて、見事なまでの心理戦を展開する。
一瞬の左フック、のその緩急の付け方が、えげつないものがあった。
ボディーのジャブも早い、とにかく早い、ドークスと比べるとスローモーションに見えるレベルだ。
そして恐ろしく無駄うちが少ない。
まるで獲物を狩る狩人だろうか。
上半身のスウェーも柔らかく、ふとナジーム・ハメドを思い出した。
ほとんど左1本、というか実際左一本で試合を構成している、やはり超一流の人間になればなるほど、左が巧みになっていくというのが、鴨川会長の言葉だったが、どうやら真実だったようだ。
まるで左だけ別の生き物のような、変幻自在の動き。
2ラウンド。
ラドックが今度は左のジャブからのフック、という形でのも変則的なワンツーとも呼ぶべきダブルのパンチで相手にプレッシャーをかけていく。
ドークスはそれに対してボディーのフックで打開策を探ろうとしているようだが、それすらも当たらない。
そしてラドックのガードは固い、基本的な攻撃は左オンリーなので、そして右手が常に顎にぴったりとつけられていて、それが離れることがほぼない。
静かな、静かな展開、ドークスの四連打さえスウェーバックで鮮やかにかわす。
しかしそのラウンドの最後、ドークスのジャブ二発がその顔面を捉え、ラドックがやや劣勢に立つ場面が見られた。
沸く観客と正反対に、ほぼダメージが見られないように見受けられ、逆についに放たれたらラドックの左アッパーからのワンツーの右で、ドークスが後ろに吹き飛ぶ。
そして3ラウンド。
前回のラウンドで見極めたのか、ラドックは今度は右を多用し始める。
いきなりの右、そこからの大きい左フックの逆ワンツー。
そして飛び込んでの左フックで、ドークスの足が揺れる。
いや待て。
気づいた、これフックじゃない、スマッシュだ!
スマッシュによる衝撃KOの炸裂
角度を決めて、腰を入れて、体ごと飛び込んで放つ、これがスリークォーターから放たれる、スマッシュ。
しかしモーションが大きく、そうそう当たる壱発では無いようにも思われた。
中盤過ぎからどっかアッパーを多用し、額をつけての接近戦となる。
そしてスマッシュ、フック、当たらないがそこからのジャブ、そしてワンツーが強烈。
ドークスの巨体が揺れる。
しかしそこから意地を見せての連打で観客が湧く。
最後にラドックがスマッシュのモーションを見せて、3ラウンド終了。
4ラウンド。
ラドックが拳を突き出すような奇妙なパンチで距離を図り、徐々にプレッシャーをかけてコーナーへ追い込んでいく。
そして終わりはあまりに唐突であり、劇的だった。
相手の額に拳をつけるようなジャブで完璧に距離を測り、デトロイトスタイルのようにL字型、しかし実際はその一撃を放つための態勢を作り、一気に体を沈め、それによりおそらくはドークスはボディーへの攻撃と勘違いしたのか両手を下げ、その空いた顔面や、顎へ、あまりに強烈なスマッシュが炸裂。
110キロ近くの巨大が、ロープまで吹き飛ぶ。
ドークスがぐったりとしてしまい動かず、そこにラドックは、チョッピングライト、左フックの追い打ちをかけ、そしてとどめのため込んでのスマッシュ。
ドークスの体が揺れ、そのまま地響きを立てるようにマットに崩れ落ち、二度と起き上がる事はなかった。
まじで死んでるんじゃないかと思った。
カウントしてる場合じゃないだろレフェリーと思った。
それぐらい、ショッキングなノックアウト勝ち。
これがスマッシュか。
未だドックスはうつぶせの状態から起き上がれない、これせめて仰向けにしたほうがいいんじゃないかと心配になる。
幕之内一歩と同じ事務の木村達也が、スマッシュは打ち始めと打ちが終わりに隙ができると言っていたが、まさしくその通りで、しかしだからこそそれを補って余りあるほどのあまりの破壊力。
正直びっくりしすぎて、同じ言葉が続くと言うゲシュタルト崩壊じゃないなんか変なことになってしまって申し訳ない(笑
まさしくレザー。
テレビの解説も、アンビリーバボーフィッシュと言っていた。
広い広い、深い深いと思っていたが、ボクシングの世界は歴史、競技人口からしても、底が知れない。
そんな深い世界に潜む、彼は怪物の1人なのだろうとその広さをふと想像したりした。
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