“ローキックの魔人”大西靖人 奥足下段を武器に三瓶啓二四連覇を止め第15回王者、増田章に勝ち世界5位に上り詰めた不屈の漢!

2024年4月9日

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川畑幸一を破る

下段廻し蹴り。

それを得意とする選手はあまたおり、そしてそれに命をかけて、必殺技のレベルまで昇華させた4人の選手と言うものも存在する。

しかしその誰もが、その異名にその技の名前はついていない。

人間機関車や格闘マシーン、現代の侍など、もしくはそれに準じたものだではあるが、直接的にその名前が入っているものはいない。

しかしその名前がまま入っており、なおかつ日本人としては大変珍しい、魔がつく異名を持つ男。

それこそが今回紹介する"ローキックの魔人"大西靖人である。

身長183センチ、体重88キロにして、ベンチプレス186キロ、スクワット290キロあげると言う脅威の肉体を持つ彼は、第12回全日本空手道選手権大会の1回戦で、その前の全日本大会準々決勝で、世界大会2連覇を果たす中村理に左上段回し蹴りを決めて技ありを奪い、さらには第二回世界大会では赤鬼と呼ばれた100キロを誇るオーストラリアチャンピオンを70キロの体格で下し"小さな巨人"と歌われた名選手、川畑幸一を破ると言う快挙を成し遂げている。

しかし次の第13回大会では2回戦で雪辱を許しており、第14回大会の沈黙を経て迎えた第15回全日本空手道選手権大会。

第15回全日本大会

1回戦からその下段回しが炸裂し、右の一発で相手を転がし、奥足の一発で場外に叩き出し、相手の攻撃はその身で受けて、左右下段のつるべ打ち、最後左右下段の後左上段回し蹴りで衝撃的な1本勝ち!

2回戦は奥足の左下段が冴え渡り、それを再三連打して、右の下段で止め。

それで足元に注意を向けておいて左前蹴りで技あり、左の胴廻し回転蹴りを見せて、後ろ蹴り、そこからの奥足下段3連打で相手の足を引っこ抜くような1本勝ち!

3回戦もまた奥足下段が冴え渡り、脛受けで足が浮いたところでさらに右の内股下段が追加される。

左の鉤突きから奥足下段と言う事のコンビネーションで技ありを奪い、合わせ1本勝ち。

1本1本1本の勝ち上がり。

4回戦の湯沢選手との戦いでも下段下段で相手の体を半回転。

そして追撃の奥足下段で技あり、相手が弾け飛ぶような凄まじい勢いだ…

しかしこの大西靖人、これだけの勝ち上がり方を見せておきながら、1回戦で既に右足の親指を骨折していたと言うから驚きである。

場外線上ギリギリで決まった追撃の一撃で、相手がひっくり返る場面が2度見られ、場外の判定でなかったら災い、合わせ一本であったかもしれない。

そして迎えた準々決勝、対戦相手はその時点で全日本大会を前人未到の3連覇達成しており、開催される第3回世界大会で"熊殺し"ウィリーウィリアムスとの再戦が期待されている絶対的な優勝候補、三瓶啓二。

その場にいた誰もが三瓶啓二の4連覇を期待していただろう中、相応間合いで向き合い、内股と奥足下段の打ち合い。

お互いの気合がこだまする、けどここまで気合入れる必要あるか…?

さすがに三瓶啓二との戦いと言うことで、奥足下段から前蹴り、前蹴りからの上段回し蹴りなどの変則技を披露する。

三瓶啓二必殺の右の下突きも耐える、そして奥足への下段で動きを止める。

大西靖人は打たせる、三瓶啓二にボディーを出せる、打たせて打たせてできた隙を伺っての下段。

肉を切らせて骨を断つ。

戦いは2度目の延長まで続き、戦いはお互いを奥足への下段から、三瓶啓二がパンチのラッシュ、そしてやはり大西靖人がそれをこらえて左の下段、それで動きが止まる。

あの三瓶啓二が、脛受けしている。

均衡し、手数が極端に少なくなる。

それでも三瓶啓二が先に手を出し、大西靖人が左ミドルを放ち、さらに三瓶啓二が前に出たところで攻撃の矛先を変えた左の内股が足払いのような形になり、三瓶啓二がバランスを崩し膝をつき、なんとそれがまさかの技あり。

ダメージは無いように思われるがしかしその判定により大西靖人はついに三瓶啓二の4連覇の野望を止め、準決勝は三好一男相手に、その前の増田章との激闘のダメージも大いにあるとは言え、速攻の右、左下段、そして左下段であっという間の技あり。

体ごと振り回すような右、左下段回し蹴りで38秒の1本勝ちを決めた。

これがほとんど歩くことも困難な男の成す所業だろうか――

決勝は"足技の魔術師"小笠原和彦との同門対決となり、その右足はもはや蹴り足としても、そして軸足としても機能せず、間合いを詰めることしかできず、戦いは時間無制限の決着先へと突入し、無数の拳の交錯の末、胸の右の正拳の連打で攻勢点を奪った大西靖人が全日本初優勝を決めた。

そして2ヶ月後に開催される第3回全世界空手道選手権大会の代表となるも持病である慢性B型肝炎が悪化し、医者からはできれば入院してほしい旨を伝えられ、それが無理なら毎日点滴をと言う中で出場。

第3回世界大会

2回戦をチリのアブドン選手を相手に間合いを詰めていき右下段の一発で相手を宙に回せるという離れ業を見せつける。

続いて3回戦では、この2回大会後の第5回世界大会の1回戦で全日本王者の田村悦宏を破り、4回戦でオランダの超巨漢ジョニークレインに敗れるところまで勝ち上がることになるアイザックマシーニと戦い、下段廻し蹴りの連続で転倒させるもその変幻自在の足さばき、重い右の突きで延長までもつれるも、狙いを左下段に集中、被弾しながらも前に前に出続け勝利。

4回戦はフィジーのダグラスエリオットを左右の下段回し蹴り、下突き、そこから右下段で追い詰め、左下段左下段の2連打で技あり、三撃目で一本!

5回戦で激突した、第22回全日本大会で優勝し、世界大会も3位、そして準優勝と言う日本どころか世界を代表する成績を上げることになる"城西の爆撃機"増田章との対決では、やはりというか猛烈な下段対決となり、お互いしっかりと脛受け、前足奥足内股と様々な下段を蹴り分ける。

増田章には特にその前の戦いでの、"ヨーロッパ最強の男"ミッシェルウェーデル戦でのダメージが溜まっていたようで、そこに右の下段がめり込む。

大西靖人の試合はその下段の破壊力があまりに強力なために相手がなかなか攻めかかってこれず静かな展開になりがちであり、この戦いも例にもれず、一発一発見事に腰が入った素晴らしい打ち合いとなる。

戦いは折れない増田章が粘り延長、再延長へともつれるが決着つかず、戦いは3度目の延長戦へ。

そこで大西靖人の前に圧力をかけての右下段が火を吹き、そこから強烈なパンチ、左下段に繋げ、3対2――3対2と言う凄まじいスプリットデシジョンを持ってついに準々決勝に進出。

そこで待ち構えていたのは第17回、18回全日本大会を連覇して次の世界大会である第4回大会を優勝する、松井章圭。

前の手をぐっと伸ばして圧力をかけ、左右の下段、後回し蹴りを浴びながらも右の下突きを返す。

さすがに増田章との闘いで蓄積した左足にはダメージがありありと見られ、それでも前に出て右の下段を放つ。

この試合の前、大西靖人はそれまで血尿とは言え出ていた小便が急に出なくなり、医師に死ぬ事はないでしょうね?と尋ね、それほど深刻に考える必要もないが――と答えられつつも、暗に安静にとほのめかされるが、死ぬことがないなら僕は出ますとマットに上ったと言う。

極限状態とも言える中気合を入れて下突きを放ち、右下段を返す。

さらに大西靖人は増田戦で肋骨を五本おられていたと言う話もあるが、その下段回し蹴りで松井章圭は骨を潰されるような衝撃を感じたともされ。

右の鉤突き、左上段回し蹴り、もはや奥足への下段は使えないか。

それでもその右下段の一撃で、ガクッとその体を引っこ抜く。

本当の意味で、魂を込めた一撃一撃。

延長で手数は減るが、その一撃で転がす場面も作り、闘志は最後まで衰えず、ダメージを見せず、2度の延長引き分けの末体重測定88キロ、試し割り27枚、松井章圭が体重83キロ、試し割り22枚と通常で考えれば10キロ差ないわけで試し割り判定で勝利しそうなところを3度目の延長戦となり、一瞬の後ろ蹴りであわやと言う場面も作ったものの、精も根も尽き果てたところ手数で持っていかれ、最終戦績は5位と言うこととなった。

怪我や病気に負けることなく最後まで戦い抜き、その奥足下段回し蹴りの破壊力により1本勝ちの山を築いた、その闘魂は語り継がれ、忘れられる事はないだろう。

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