月刊少女野崎くん 掛合いの極致 1P毎面白い究極のキャラ漫画!!
恋愛要素無しの内輪ネタOnly
この漫画を知ったのはネット広告が初めてだった。
デカくて、無愛想な顔なのに、少女漫画を描いている。
その煽りはどう考えてもなネタ的な要素が強いので、手に取る時もそこまで期待してというわかでもなかった。
それがここまでハマることになるとは思いもしなかった。
この漫画の最大の特徴の1つが、恋愛要素がないことだ。
いやそれは少し違うかもしれない、何しろメインヒロインである佐倉千代は、主人公である野崎梅太郎こと野崎くんに、めちゃくちゃ恋してるからだ。
しかし問題が、彼女以外は全く恋をしていないところだ。
さらには佐倉の恋が、どうも深刻さが足りないというか――いや本気なのはわかっているのだが、どうもたまま偶然至った彼の漫画アシスタントベタ担当兼アイデア係といいう現状に満足してしまって、それ以上先に進ませようという気がないのじゃないかとう風作者の意図が見え隠れしてしまうところも問題といえば問題だった。
この話、正直大きな展開がなく、ひたすら学校内でのやりとりに終始する場合が多い。
もしくは、野崎くんが漫画を描いている自宅の仕事場、あとは作戦会議をする近くの喫茶店か、漫画編集部、大体そんなところ。
大きな事件が起こって、それに伴っていろんな展開が繰り返されて、そうやって話を転がす一般的な漫画とは完全に一線を画している。
この漫画の話の転がり方は、ひとえに登場人物のキャラクターによる掛け合い、それに委ねられている。
極まっている。
全員天然でボケでツッコミの超強力掛け合い
出ている登場人物それぞれが、正直言ってやり過ぎな位の個性を持っていて、だけどそれが狙いすぎと言うよりは「あーこういうやついるかもなぁ…」みたいに思わせてきて、しかもそれが後輩だとかクラスメイトだとか兄弟だとか、そんな感じでうまい具合にこじれていて、しかもどいつもこいつも思い込みが激しいから、あちこちで誤解が起きまくる。
いわゆるツッコミが不在の、ひたすらにボケ倒すようなスタイルに近い。
あえてツッコミ役をあげるとしたら佐倉なのかもしれないが……佐倉も佐倉で大概で結構ボケまくるから、むしろ主人公の野崎くんの方かもしれない……と思いつつもこいつも大概天然だから、同じクラスのなぜか野崎の書く漫画「恋しよっ」のヒロインマミコのモデルとなっているイケメンヘタレオタクの”みこりん”こと御子柴実琴と思いつつ、こいつの暴走中二病オタク突っ走りっぷりも大概だから、じゃあ演劇部の先輩であり野崎の背景担当アシスタント堀政行かと思いつつ、この人も演劇部のスーパーエース鹿島遊が絡むとどうかしちゃうからなぁ……ともうみんなうまい具合に使い分けているとしか言いようがないかもしれない。
どいつもこいつも思い込み激しくて常識分飛んでるのに常識人だと思っていることが本当に痛々しいんだけれど、あるみんなほんと愛すべき個性と言う感じで本当にニヤニヤしてしまう感じなので、本当にみんな大好き、というか愛してるほんと最高ですさっきは出さなかったけど”声楽部のローレライ”であり暴れん坊の瀬尾結月とバスケ部の後輩でありいい人すぎる不眠症の苦労人なのに結月の歌声で寝てしまうがゆえに振り回されまくる若松博隆との掛け合いも最高であります。
この漫画の凄いところは、出てくるキャラ出てくるキャラ薄いやつがいなくて、本当にキャラの魅力に溢れズバ抜けているから、本当に掛け合いだけでお腹いっぱいというか、そういったところにほんとに極まっていると言えるかもしれない。
いろんな設定や特殊な能力だとか大きな敵だとか、そういう少年漫画的王道展開も決して悪くはないのだけれど、どうしても話の流れとして起承転結となるために、説明回だとか、戦いのための準備だとか、ある程度次の展開予想されてしまうところもあったりとかすると思う。
だけどこれはひたすら日常の中で、ある日突然思いついたことをしたりとか、何か始まったことに巻き込まれたりとか、そんな感じだから、次の1ページでどんなとんでもないことが起こるか1つも予想できないので、いつでもドキドキワクワクしてページをめくることが出来た。
1ページ1ページ振り切った面白さ
そう、この漫画のまた凄いところが、1ページ1ページに面白さがあるというところだ。
普通だったら物語1つ、ストーリーの1つ、展開の1つで通して面白いというところだろうけど、1ページ1ページ、4コマ4コマのひとつひとつで毎回オチをかましてくれて、それが非常に秀逸な切れ味を持っているので、1回1回腹を抱えて笑って、止まってしまうほどだった。
正直1巻読み終える頃には、もうかなり笑いすぎて疲れてしまう位(笑
それぐらい満足度がすごい、それぐらい楽しい、そして、幸せだ。
俗にいうバトル漫画とかは、確かに面白いし、熱い、感動するけれど、やはり鬱展開とか、辛い展開とか、そういったものが存在して、それがあるからこそ盛り上がるのだけれど、そういうところ読むのは結構精神的にくると言うのも実際だったりする。
だから精神的に疲弊していたりとか、余裕がない時は、あまり読む気が起きなかったりするのもまた実際かもしれない。
私事ではるがうつ病の時は、そういった激しい漫画は手に取る気力すらわかなかった。
しかしこの漫画は、ひたすら優しい世界で、辛い事は一切起きたりはしないので、ひたすらほのぼのとした感じで、ずっとこちらの精神的ライフポイントを回復してくれるようなイメージがある。
なのに度肝を抜く展開とか、予想外の展開の連続なので、飽きることも全くない。
現在12巻まで出ているが、ずっとそんな感じで、特に10巻以降は怒涛の展開なのに、話の本筋が変わらないと言うのは、それは本当に作者の能力がずば抜けている証拠だと考えている。
さらに凄いのが、そういうはちゃめちゃでギャグで、展開がぐるぐる回るそういうタイプの漫画は大概絵が雑というか汚いというかそういう場合が多かったりするのに、この漫画のキャラクターの美しさというか可愛さというかかっこよさはトップクラス中のトップクラスだから、ある意味間違っていると思うのだけれど、そういうところも充足できるので、まさに唯一無二の完璧漫画。
どんな精神状態であっても、いつでもどんな時でも満足と、安心と、ドキドキと、そして幸せをくれる漫画。
老若男女、すべての人にお勧めする超傑作です。
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