鬼滅の刃無限列車編 日本中が涙!炭治郎の絶叫と煉獄さんの生き様!
1億の発行部数、迎えた1年越しの劇場公開
社会現象を今なお巻き起こしている『鬼滅の刃』。
その続編が劇場版公開と決まった時、全国のアニメ好きは狂喜乱舞した。
それから1年もの期間を経て無限列車編は公開された。
アニメを現在進行形で見ていた人たちの間で、一体どれだけの人間が続きをただ座して待つことができただろうか?
アニメ放送終了時は約1,200万部だった発行部数が、昨日ついに10倍にもなる1億部を突破した。
アニメ放送終了直後は、コロナ禍によるマスクと同様に品不足が続き手に入ることが難しかった単行本も、現在では普通に店頭に並んで購入可能な状態になっている。
おそらくは劇場に足を運んでいる人々の、実際のところ引率の親御さんなどを除けばそのほとんどが、その内容を把握しているのではないかと思う。
それでも――そんな人たちの一人であるにも関わず私も映画館に、劇場に向かうことに何のためらいもなかった。
崇高な原作、神懸るアニメ作画と構成
原作は、漫画は、それはそれはとても素晴らしいものだ。
全く疑いの余地すらない。
しかし、アニメはまたそれとは別格で、神がかっている。
漫画の良さはそのままに、さらに各キャラクターの魅力を浮き彫りにして、迫力を個人的には何倍にも何十倍にも引き立たせているように感じる。
以前 【鬼滅の刃】超感動涙腺崩壊の19話徹底解説、武道家視点でも圧倒的戦闘描写、後世に語り継がれるべき圧倒的傑作だ! でも書かせてもらったが、その衝撃は計り知れなく、特に19話は録画したものをおそらく50回以上を観て、その全ての折で涙を流したほどだ。
そして迎えた公開日、劇場に問い合わせてその最短となる3日前の午前0時に予約をしたが、TOHOシネマズはそれでもなお9千番台の予約番号で、しかしアクセス切断が起こり、次は7万番台と、絶望的な戦いだった。
しかし他の劇場にアクセスすると意外にもすんなりと空席照会が出来、結果的に公開日当日の朝一に、前から三番目の真ん中という絶好の席を確保することが出来た。
女性メインの和気藹々とした雰囲気の劇場
公開当日、私が選んだ池袋シネ・リーブスは正直それほどの混雑も、混乱もなかった。
それどころか、館内の3分の1くらいに空席が観られたほどだった。
TOHOシネマズでは最大1スクリーンで深夜を含め計42回上映されるなど、各地で通常ではありえない上映回数を予定しているようなので、来館者が分散した結果のようだった。
しかも見立てでは、来場者の7割は女性。
鬼滅の刃の女性人気を裏付ける状況だった。
だからこそというか、いわゆるオタク映画にありがちな固唾を呑んで見守るような感じではなく、和気藹々と上映スタートを楽しみにしているといった様子だった。
そしておそらくはだが、そのほとんどが先ほども述べたように、これから繰り広げられるストーリーを把握していると思われる。
今回の無限列車編の主人公は、間違いなく炎柱である、煉獄杏寿郎だ。
最初ほとんど勢いだけの狂人じみた登場から始まる彼のその魅力を、余すことなく伝えたシリーズだといっても過言ではない。
そして今回象徴的なのが、それぞれの主要キャラたちの心の内面を、まるで印象派の絵画のように浮き彫りにさせているという点にもあると思う。
どこまでも広く透き通り、温かく眩しい竈門炭治郎の心
竈門炭治郎の心の中は、どこまでも広く透き通っていて、そして暖かく眩しかった。
それぞれの心の中の、それぞれのあり方が、他人の目により通して見ることによって――そのまま作者が伝えたいキャラクターの内面世界となっている。
この物語の核となるものが、炭治郎の優しさだということが、実際にその心の裡に立つことによって、我々に視覚的に染み込んでくる。
だから彼は、敵の鬼に操られ、鬼に殺された家族たちが生きている夢の中に閉じ込められ、途中でそれが夢だと気づく。
すぐさま現実に戻ろうと画策するのはさすがだが、しかしそこで――もう今はいないはずの家族たちから、呼びとめられる。
そこで、彼は止まる。
ここからが、映画の真骨頂だった。
漫画ではサラリと流されるその描写が、神懸っていた。
19話でも流された竈門炭治郎のうたのインストルメンタルで、こちらの胸に迫ってくる。
正直ここで、私は泣いてしまった。
ここに居たいなぁ、ずっと。
振返って戻りたいなぁ。
本当なら、ずっとこうして暮らせてたはずなんだ。
本当なら、本当なら――
だけど彼は、たくさんありがとうと、たくさんごめん思うと、忘れる事なんてなくどんな時も心は傍にいると誓い――失った事実を受け止め、前を向いて、すべてを振り払って、現実に戻ろうとする。
ボロボロと、涙を零していた。
このシーンが、映像と音楽と一緒に流れるとここまで悲痛で、哀しいシーンだとは思わなかった。
炭治郎たちを夢の中に引きずり込んだのは、現実に絶望し、覚めることのない甘い夢に落としてほしいと願った人間たちだ。
そんな彼らに、しかし炭治郎は絶望しないし、達観もせず、ただ立ち上がり前に進むその姿を見せつける。
それは超人でもヒーローでもない、等身大の今を生きようとする美しい1人の少年の姿だった。
煉獄杏寿郎 vs 猗窩座
そして皆との協力の末、ヒノカミ神楽「碧楽の天」により、電車そのものとなっていた下弦の壱、魘夢を打ち倒す。
このビジュアルの美しさには、館内からどよめきが起こった。
この辺りはさすがのufotableの本気だ!
その後繰り広げられる、煉獄杏寿郎 vs 上弦の参、猗窩座(あかざ)。
上弦の鬼の強さは少なくとも柱3人分だという事実がのちに蟲柱、胡蝶しのぶによって語られている。
実際漫画での後半の戦いでもそれで何とか相討ちが限界と言うパワーバランスで描かれていた。
最初から1対1では、結果が見えていた。
その戦いが、個人的に劇場版最大の見所だと考えていた。
漫画ではある程度端的に、短めに描かれていたような印象がある。
それが以前記事で書いた19話のような劇的な演出がなされているのか?
彼の気持ちがいい、まっすぐな刃の奇軌跡を、この目に焼き付けようと言う思いがあった。
果たしてその戦いは、迫力に満ち、そして痛々しいものだった。
煉獄が斬っても斬っても、猗窩座は瞬間で再生し、激しい拳を打ち込んでくる。
避けても避けてもキリがなく、捌ききれなかったアッパーが脇腹を、骨を砕き、内臓を傷つけ、そして顔面の拳が、力を殺しきれず、目を打ち、潰し、失明させる。
歯ぎしりする想い。
館内中が、刮目している。
そして予告編でも語られた、彼の言葉。
宣言。
俺は俺の責務を全うする。
この場にいるものは、誰も死なせない!
どよめき、瀕死でなお、赤く猛る炎。
その生きざまに――言葉を無くす。
そしてこれは彼の母が、息子に向けて送った言葉から来ていたと知る。
弱き人を助けるのは、強く生まれた者の責務です。
そして彼はその言葉を全うするために鳩尾を突き破られながらも、その腕を固定し、殴りに来た拳を人の力で受け止め、刀を首に突き立て、最後の最後まで鬼殺隊の柱足らんとする。
その凄まじい戦いに、全身は震え、気が付けば奥歯をかみしめている自分がいた。
煉獄杏寿郎、最期の言葉
それでも激闘は報われることなく、猗窩座は自身の両腕を自ら捥いで、離脱してしまう。
そこに炭治郎は剣を投げつけ、吠える。
逃げるな卑怯者、逃げるなァ!
いつだって鬼殺隊はお前らに有利な夜の闇の中で戦ってるんだ、生身の人間がだ、傷だって簡単には塞がらない、失った手足が戻ることもない!
お前なんかより、煉獄さんの方がずっと凄いんだ、強いんだ、煉獄さんは負けてない、誰も死なせなかった、戦い抜いた守り抜いた、お前の負けだ、煉獄さんの、勝ちだ!
うああああああああああああああわああああああああああああああ!!
声優の、本気を見た。
ここまで、ここまで気持ちを乗せられるのか?
そして気づいた。
あちこちで、鼻をすする音が聞こえる。
いやそれはずいぶん前からだったけれど、ここにきて一気に――
あぁ、そうか。
みんな、泣いてるんだ、悼んでるんだ、そして炭治郎の言葉に感動して、共鳴して、そして泣いてるんだって――
その後語られた、実質的に師弟の関係となった炭治郎への、最期の言葉。
俺は君の妹を信じる。
胸を張って生きろ。
己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、
心を燃やせ。
この瞬間、眩しい煉獄さんの瞳を見て、ドクンと世界が脈動したように感じた。
あぁ……死んでほしくないって、本気で思ってしまった。
歯を食いしばって前を向け。
この漫画を進めた妹も、この戦いで煉獄さんに惚れたと言っていた。
私も、これでとても彼のことを呼び捨てでは呼べなくなってしまったと考えていた。
しかし、劇場版はそれを越えていた。
本当の最後の言葉、
今後は君たちが鬼殺隊をさせる柱となるのだ。
俺は信じる。
君たちを信じる。
彼は最後まで、結局自分のことは一切語らなかった。
最期まで、誰かのためにあろうと、誰かの未来を照らそうと、その心のかがり火を燃やし尽くした。
今回の劇場で、また鬼滅の刃は新たな記録を打ち立てることだろう。
この物語の最大の特徴は、単純な勝った負けたではなく、それぞれの登場人物が背負っている過去、そして胸に秘めたる想い、その熱い炎だ。
彼自身も、父との軋轢を抱え、才能を持ち得なかった弟の思いを抱えて、その上で自らの心の情熱は決して絶やさずに、母からの人を守れと言うその言葉を頼りに戦ってきた。
そして最後に彼は、幻を見る。
母に、俺はちゃんとやれただろうかと問う。
それに母は、笑顔で答える。
立派に出来ましたよ。
報われた最後の笑顔に、絶句することしか出来ない。
もうずっと、鼻をすする音は止むことはなかった。
エンドロールが終わるまで、そして終わってもしばらくは、誰も動かなかった。
明かりがついてしばらくしてから、思い出したように席を立ち始めた。
今回の映画で、私は少なくとも5回は泣いた。
コロナ対策のためにつけていたマスクは、涙と鼻水でぐっしょりと濡れていた。
あまりにも感情が揺さぶられたため、ぼんやりとした心地で頭が痛かった。
圧倒的な迫力の音響、映像と、じっくりを魅せる脚本、そして声優の本気。
人生で初めて公開当日の一発目で鑑賞するに相応しい、日本を代表する一作に遭遇した気分だった。
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