ARIA 究極のヒーリングストーリーに心の奥底まで透き通っていく…

2024年4月11日

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最たる癒し

おそらく私が今まで触れてきたありとあらゆる作品の中で、最も繰り返し触れてきた作品と言えるかもしれない。

私は作品には基本的にストーリー性重視のものと、雰囲気重視のものがあると思っている。

この作品は雰囲気重視の作品の中で、正しくトップといって差し支えないものだろう。

出会いは、大学生の頃。

上京して、はじめての一人暮らしで、だけど友達がいなくて、時間を持て余していた夜中にこの作品が流れてきて、それを見て、衝撃を受けた。

それまでの私は物語というものは、基本的にオチがなければいけないものだと捉えていた。

端的に言えば、例えばキャラがお盆にコップを乗せて歩いているシーンがあるとしたら、それは間違いなく後で落としてその後事件が起こるという流れのためのフリだと考えていた。

しかしこのARIAという作品は、そういったことがまず起こらない。

確かに主人公の水無灯里も、そしてそのマスコットキャラと見えるアリア社長もどじっ子だし、ライバル会社のオレンジプラネットのアテナ先輩もどじっ子だが、いろんな失敗はするが、しかしそういった物語を転がすためのギミックでは無い。

例えば彼女たちの仕事であるゴンドラ漕ぎの練習の後、みんなで大きな古いお屋敷を改造した温泉に入って、通行止めの札の先に行くと――誰かが落ちたり、敵となる第3の登場人物が出てきたりする、なんていう事はなく、海とつながっている露天風呂となっていて、そこにはなにも遮ることのない満点の星空が広がっていて、その素敵さに心奪われて、それにみんな同意する――とまぁ、そういった展開がほぼ毎回繰り返される。

水無灯里という特異な感性

この物語最大の、そして作品そのものを象徴しているのが、水無灯里の感性だ。
彼の先輩であるアリシア曰く、

「灯里ちゃんが素敵だからこそ、世界が素敵に見えるのよ」

水無灯里は一切人の区別をせず、ありとあらゆる人物と瞬間的に仲良くなって、そして慈しみと労わりと尊敬を持って接し、そして世の中のありとあらゆる事象すべてを普遍的に捉え、その美しさや象徴的な在り方全てを愛する。

これは簡単なようで単純なようで、想像を絶するほどとてつもない能力と言える。

人間は環境適応能力というものを持っている。
それがあるからこそ進化して、それがあるからこそ現在の霊長類としての栄華の極みを果たした。

しかしだからこそ、逆に言えば簡単に慣れてしまう習性を身に付けてしまったと言える。

二十を超えた大人にもなって、今更コップという道具に驚いて、水がおいしいとわめき散らす人間などいない。

しかし水無灯里は、いちど体験したことも、慣れてしまったことも、それが当たり前とは思わず、繰り返し繰り返し訪れる四季や、それが見せる風景、その折々のイベントや、細やかな変化、その特徴、その側面、細かな違い、それらが総合的に内包している美しさ、それらを毎回毎回はじめてのような感動を伴って全身で受け止める。

そんな水無灯里にとって、惑星地球化改造(テラフォーミング)された火星(アクア)の、21世紀前半まで地球(マンホーム)に存在したとされるのベネチアをベースに造られたというネオ・ヴェネツィアは、それこそ彼女が語るように宝物そのものだ。

通常であれば「だからなに?」「そんなの知ってる」「見飽きた」のような言葉で済ませられてしまうような事柄ひとつひとつが、彼女の視点を通すことによって、キラキラと宝石のような輝きを放つ。

この作品がきっかけでイタリアのベネチアに行きたい、もしくは行ったと言う話は枚挙に暇がない。

かく言う私もロンドンに留学した際、貧乏学生だから必死に貯金してイタリアのベネチアまでLCCのイージージェットを使って行ったことがある。

そして彼女が見た景色、彼女が乗ったゴンドラ、彼女が食べたであろう食事をとった。

そうしたい、そう思わせるほどの輝きが、作品の中にはある。

珠玉の中の珠玉の3エピソード

基本的には水無灯里が前述した火星(アクア)と呼ばれる水の惑星に降り立ち、ARIAカンパニーにて伝説のゴンドラの漕ぎ手、水先案内人(ウンディーネの)の中でも三大妖精と呼ばれるアリシアさんに出会って、その手ほどきを受けて一人前になるための修行をしながら、2人の仲間であると藍華・S・グランチェスタとアリス・キャロルに出会って、それからは基本的に3人で練習しながらこの街での様々な側面に触れていくという、そういう場面が続く。

だからこそ、基本的にはどのエピソードを、どのタイミングで読んでも、観ても良い。

途中で見習いから半人前になったり、知り合いが増えたり、といったい小さな変化こそあるが、基本的にはストーリーはそれほどの連続性を持っておらず、1回1回の読み切りのような形になっている。

だからこそ無造作に手をとって、肩肘を張らずに没頭して、その瞬間に胸を高鳴らせて、心を寄せて、そして感嘆の息を漏らすような、そんな他ではできない楽しみ方をしていた。

本当の意味での心が透き通るような癒しをくれる漫画。

そんな中で、私はあえて3つのお勧めのストーリーを進言したい。

1つが、水無灯里がネオ・ヴェネツィアの墓地の島であるサン・ミケーレ島に喪服姿の女性を連れていくことになってしまい、そのまま物凄い勢いで墓地に引っ張られて、そこで風によりレース付きの帽子が取れて、そこには首がなくて――最後は他の人には見えない猫の声であるケットシーに救われるという、ARIAの中にあっては珍しいホラーとスリルと、そして本当におとぎの話に迷い込んようなそんな錯覚を起こさせるお話しだ。

もう一つが、最終回寸前の彼女が1人前になるためのゴンドラの試験に合格して、なにげない日常の中でアリシアがいない日々を想像して泣いてしまい、そこで初めていつも優しくて冷静なアリシアが灯里に対して抱いていた気持ちを打ち明けるお話だ。

なぜアリシアが、真面目で腕前も充分な灯里に三人の中で最後になるまで試験を受けさせなかったのか?

そして実は灯里自身が、アリシア自身にとっても支えになっていたこと、本当の意味での自立や成長や、幸せと言うものは何かと言うところまで教えてくれる、何回読んでも、そして思い出しても、涙が止まらない珠玉のエピソードだ。

最後にお勧めするのは、これまた最終回のもう少し前に描かれている、灯里の休日だ。
それは本当に彼女らしくほのぼのとのんびりして、アリア社長とゴンドラでゆったりと街を回って終わってしまうのだが、本当の意味で休日はこうあるべきじゃないかとさえ思わせるような、私個人的にはナンバーワンとも言えるそんなARIAらしい緩さと癒し満載の話だと考えている。

他にもカフェラテ発祥の店であるカフェフローリアンの話や、アリスちゃんが奇跡の飛び級昇格した話、藍華ちゃんが伸ばし続ける髪にかけていた願いや、さらにはそれぞれの先輩たちの話などを挙げていけばキリがないほどの粒ぞろいだ。

悠久の先まで受け継がれて欲しい、珠玉の名作がここにはある。

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