“円心”二宮城光 芦原英幸のサバキで盧山初雄や佐藤俊和と激闘! 第10回全日本王者となった武の極み!
サバキ
大山倍達、芦原英幸という偉大な空手家からの寵愛を受け、そのサバキの集大成ともいえる組手で大衆を魅了し、若干21歳にして第1回世界大会3位、そして第8回全日本大会準優勝、第10回大会で優勝に輝き、アメリカのコロラド州デンバーで日本の武道の真髄を説き、広めし空手家、二宮城光。
今回私はその彼の華麗にして長きにわたる戦いの中でも、特に注目され、大激戦となり、その集大成になったと思える第8回全日本空手道選手権大会及び、第10回全日本空手道選手権大会での技術、投資、真実、それを皆様にお話ししていこうと思う。
当時ニューヨーク支部のインストラクターと紹介されていた彼は、華麗にして強烈な後ろ回し蹴り、膝蹴り、正拳突き、上段回し蹴りを我々に見せつけ、ゼッケン123番を背負い第8回全日本空手道選手権大会に挑んだ。
全日本としては第3回あたりから出場していたという話もあり、22歳という若さながら非常に落ち着いたもはやベテランの風格を醸し出し、まるで足が地というかマットに根を張っているようなしっかりとした立ち方から、間合い、タイミングを重要にしている様子が見て取れ、両の手で竜変の構えのように円を描き、左中段廻しで飛び込み、その一撃で相手の右腕がダメージを受けたように感じられ、飛び込んでの右正拳中段突きも体をくの字に曲げさせ、そこからの対角線上の左中段廻し蹴りのコンビネーションは鮮やか見事!
2回戦は負傷したのか右腕の包帯が気になるところではあるが、じっくりと考えて足をスイッチしての後廻し蹴り、それで威嚇して相手の注意を上に向けておいての右後ろ蹴りで勝負を決める。
すごい、左右に上下まさに変幻自在、そして一撃必殺!
3回戦は相手のラブファイトにも怯まず下段突きを決め、4回戦は下突きで圧倒し、迎えた準々決勝。
そこで激突するのは後に全日本大会3連覇を果たす、三瓶啓之。
戦いはお互い胸をつけるような凄まじ下突きの応酬となり、というか最初は打ち込まれる形となり、分厚い道着が破れるほどの激闘の中、二宮城光はその中でも間合いを図り前蹴り、飛び込んでこられたら膝蹴り、足払い、一瞬の隙を見逃さず下突きの突進と打ち分け、そして再開直後の一瞬の隙を狙っての胴廻し回転蹴り!
ポイントこそ奪えなかったものの側頭部から後頭部にかけてを捉え1回転させ、パイオニアとしての輝きを見せ、泥臭い打ち合いにも負けることのない腰の強さで準決勝へ!
そこで激突したのは人間機関車と呼ばれる凄まじい突進力と下段廻し蹴りで押しまくる、その直前の第一回世界大会準決勝でも激突している、東孝。
相手の東孝にとっては雪辱戦になったこの一戦、二宮城光まず後ろ蹴り、東孝が下段廻し蹴りから口火を蹴り、やはり東孝は下段下段、それに二宮城光は前蹴りを返す。
前蹴りで飛び込み回り込み膝蹴りという妙技、さらに回り込んでの足払いからの下段突き。
きわどいところをまさに捌きの真髄というもので降り蹴り、迎えた決勝戦。
相対するは極真のありとあらゆる強豪たちと激闘を繰り広げ、富樫宜資やハワードコリンズといった他流や外国の外敵からその牙城を守ってきた、秋田の武人、佐藤俊和。
佐藤俊和
戦いは双方間合いを測っての慎重なものとなり、まずは佐藤俊和が下突きで飛び込む。
前蹴りと下段廻し蹴りが交錯し、そこから佐藤俊和の胸へのラッシュから膝蹴りの連打。
178センチ85キロを誇るというその鎧のような体格から放たれる攻撃は強烈無比で、身長はほぼ変わらないというが体重には10キロ近くの差があり、さらにはそれまでの激闘の影響も大きいと思われ、残念ながら二宮城光はその鬼の形相のラッシュに対抗できず、惜しくも準優勝という結果となった。
そして迎えた第10回全日本空手道選手権大会。
前年の準優勝の中村誠が選手宣誓を行う中、ゼッケン65番。
大歓声とともに現れた一回戦、四段という金沢選手を相手に、さらにどっしりと根を張るような構えに磨きがかかっており、そこからの下段廻し蹴り一発で相手が1回転!
さらにもう一発半回転、それを引きずり倒して下段突き炸裂!
すげえ…凄みがスゲェ…語彙力がなくなる…
力強さがケタ外れに増しており、上段回し蹴りからの後ろ蹴りも健在!
右下段からの左上段回し蹴りという対角線上の攻撃、追撃、圧倒、まさしく圧倒。
追い討ちの足払いは相手の足が天に向くほどの破壊力!
ヨルダンの皇太子、プリンスモハメット殿下が観覧に訪れ、まさに他の大会とは違う特別な雰囲気が漂う中、準決勝、二宮上強は圧倒的な強さ、巨大な体格でなぎ倒すような勢いで勝ち上がってきていた、中村誠と対峙する。
試合中、まずは中村誠が左の正拳突きからの右の下突きという得意のコンビネーション。
後の世界大会2連覇を果たす男を相手に、中村誠は左の正拳突きと右の下突きのショットガンのようなラッシュ、それに二宮城光は機を見て前蹴りを合わせる。
すさましい突進力、体重差にさらされるが、二宮城光は必死にこらえ隙を伺い、今度はその瞬間に飛び後蹴りを合わせる!
それは前蹴りと合ってしまい防がれるが、相手の突進にも胸を合わせすり抜けるというさばき、回し、そして今度は自らが回り込み左の前蹴り、同じ足での上段回し蹴り!
それがヒットし、会場を沸かせ、さらにその回り込みを極めていく。
そして相手が飛び込んでくるところに前蹴りを合わせ、さらに再び合わせたところ中村誠が背中から落ちて、副審の旗が横に振られ、技あり!
圧倒的不利からの信じ難い状況となり、相手の後廻し蹴りをさばいての下段突き、さらに前蹴り、中段廻し蹴りを見せ、最後まで間合いを大事にした武道家らしい戦いを貫いた。
そして決勝戦、第8回全日本大会についての激突、後の3連覇全日本王者三瓶啓二。
三瓶啓二、中村誠を連破
お互い両脇を開けて、両手を広げる非常に大きな構えとなり、それに三瓶啓二はまず右の下突きからの下段、それに二宮城光も下段廻し蹴りからの前蹴りで応える。
前蹴りと中段廻し蹴りが交錯。
二宮城光の下段廻し蹴り合わせて三瓶啓二が突きで取り込み、突っ込んでくるところに二宮城光が前蹴り合わせる。
そして下突き下突き下突き下突き下突き。
後ろ蹴りと上段回し蹴り。
ここまで全くの五分という所。
下突きに下突き、中段廻し蹴りに下段廻し蹴り、後ろ蹴りに後廻し蹴り、まるで鏡合わせのような展開となり、戦いは延長へ。
再開直後から怒涛の下突きの応酬、これは三瓶啓二に分があるかと思われたか、そこから下段廻し蹴り、二宮は膝蹴りと繋げる。
中盤から逆に三瓶啓二が中段げり、二宮城光が詰めての突きという展開となり、あの三瓶啓二を左下突きの連打で追い込んでいく!
地力でも、負けはしないと、証明していく
そして相手の中段廻し蹴りを強烈な下段廻し蹴りで崩し、前蹴りをヒットさせ、そこからパンチ、膝蹴りで押し込む。
ここにきて、明確な差が出てしまったといえる。
4対0で勝利となり、どうやら副審の芦原英幸もガッツポーズ、端を置いて手を叩いて喜んだという様子が見て取れ、ついに二宮城光は24歳にして全日本大会初優勝の栄冠を手にすることとなった。
まさしく間、それを重視し、一瞬の好機をものにし、体格の差を跳ね返しルールが整備されてからは唯一ともいえる70キロから80キロの間の中量級の体で無差別の全日本を制した、その際来日していたモハメットと同じく、当時いわれていた貴公子、プリンスともいえる活躍といえただろう。
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