【FF9】造られた自分の生に悩むビビにジタンは唯”二つ”の選択肢を提示する!
史上最高のRPG
数多あるRPG、私もその全てをしたと言うわけではなくどちらかと言うとミーハーであり、ベタ好きの私としては、ファイナルファンタジーはドラゴンクエストなどを中心としてやっており、かなり偏った判断と言うことも踏まえさせていただいた上で、その史上最高のRPGと言えるものが、ファイナルファンタジーⅨだと考えている。
これに対しては賛否両論あるのは当然で、特にそのようなランキングでトップに輝くクロノトリガーや、ドラゴンクエストⅢ、そしてファイナルファンタジーⅦなどが対抗として挙げられると思うが、私個人の考えとしてはそれも踏まえた上での結論だ。
そういった様々なドラゴンクエストやファイナルファンタジーやクロノトリガーやその他のRPGとの兼ね合いなどもいつか述べさせていただきたいと思うが、今回はその私の愛するFINAL FANTASY IXの中で、最も印象に残り、そして私の人生の指針となったシーンについて述べさせていただきたいと思う。
早速だが、ファイナルファンタジーⅨの中に流れているメインテーマと言うものは、生きると言うことをそのものである。
FINAL FANTASY IX、そこに出てくるキャラクターたち。
それら全てが皆生きるための指針を探し求めており、ストーリーの中で迷い、間違い、悩み、考え、その中で成長し、最終的に自らが納得できる何らかの答えを提示すると言うストーリーになっている。
そのどれもが安易なものはなく、結論も単純なものではなく、だからこそ我々の生活、人生に、ダイレクトに響く、そういった奥深く、私にとって何回も何回も繰り返しクリアしたくないそのような魅力を持っている。
その象徴的な1人とも言えるキャラクターとも言えるのが、黒魔道士のビビである。
黒魔道士ビビ
見た目としては、ファイナルファンタジーに慣れ親しんだプレイヤーたちならば、もはや見慣れたものであるが、やや子供っぽい体型、そしておぼつかない言動。
それにより、子供であると推察されるが、その出生は謎であり、ひょんな事から巻き込まれる形で、主人公であるジタンと行動を共にする。
その正体は、このFINAL FANTASY IXの世界において、大いなる動力の資源である、霧、それにより作られた、人工生命体だった。
その事実を、ジタンと行動にすることによって知らされ、思い知らされる。
その黒魔道士と言う生命体は、それ自体に製造段階では自我と言うものが存在しておらず、その目的は、人を殺す、それのみだったと言うからだ。
そんな自分と言うものに、その目的に打ちのめされ、これからどのように生きていけばいいかわからないと言う時に、その黒魔道士たち、いわゆる違う芽生えた者達だけで暮らす村に訪れ、共に生きる、そのことにより意味を見出そうとする仲間たちを見て、揺れ動き、その後既に絶滅した召喚士の村に訪れた――
その夜に名場面は現れることになる。
召喚士の少女エーコに歓迎され、手料理を振る舞われ、そしてそのまま村で休み、ふと起きたジタンが外に出ると、ビビは階段に1人、腰を下ろして、膝を抱えていた。
そこに時間はビビと声をかけ、そのそばに寄る。
召喚士の村での語り合い
「どうしたんだ? 寝ないと明日がつらいぜ?」
と問いかけると、ビビはうつむき、顔を上げて、
「……考え込むのをやめようとするんだけど
頭の中、ぐるぐるしちゃうんだ
考えすぎるのはよくない、っていうジタンの言葉はわかったつもりなのに……」
自分が作られたもの。
生きる時間は定められていて、そして短い。
生きるとは、死ぬとは何なのか、どこから来て、どこへ向かうことなのか、それは一体何なのか――
怒涛のように押し寄せる情報を、事実、疑問点それを解消できず、悩むビビに、ジタンはあくまでビビの立場に立って、優しく語りかける。
「そりゃ、オレはオレでビビはビビだからさ
それでいいんだ……ムリにあわせることなんてない」
しかしそれに対してビビは、余裕がない胸中を打ち上ける。
「でも、ボクはやめたいんだよ……ぐるぐるしたくないんだ……
ずっとこうだったらどうしよう…ボク、こわくなってくる」
そんな苦しむビビに対して、ジタンは優しくその名前を呼びかけた後、両手を開けて、自らの過去、考えを告げる。
行動”する”か”しない”か
「オレたちがどんな過去を背負い、どんな悩み、希望を持ってたとしても……
できることと言ったら、行動"する"か"しない"を選ぶくらいなんだ……」
そして首を振り、ビビの隣を横切り、振り返り、両手を広げその気持ちを精一杯アピールする。
「千差万別の悩みに対して、
できることはニ通りだけってことなんだぜ?
頭かかえて当然ってことさ!」
この言葉が、自分に凄まじい衝撃を与えた。
そうなのか――そうなのか。
世の中に無数にある、多種多様な、金銭や、恋愛、立場、勉学、数字、スポーツ、争い、さらには政治、宗教、そういった問題、悩みに対して、我々ができる事は、ただ2つだけ。
するか、しないか。
それだけ。
それだけだったのか。
それだけだからこそ、こんなに悩むと言うのか――
そしてジタンは積み上げられた石の上に飛び乗り、星空を見上げて、自らの答えを語りだす。
「……それでも
ぐるぐるしないようにするには
行動"する"ときと"しない"ときの
基準を決めておけばいい」
振り返りビビを見つめ、
「まぁ、簡単には決まらないと思うけど
それはビビのペースで決めていけばいいんだ」
それにビビはその名前を呼び、それに答えるように、
「…オレは、自分の手が
届くところは守りたい、って思ってる
できてるかどうかは別だけど
それが、オレの基準なんだ」
本当に、本当にかっこいいと思う。
いや、人として尊敬に値する。
こんなふうにかっこよくて、器用で、誰にでも愛されるキャラであるジタンだが、しばしば色男キャラのような描写をされるが、しかし男女や、種族の違いで差別する事は全くなく、それどころかいつだって手が足りない人のそばに寄り添って、1番欲しい言葉を与えようとしている。
そしてこの言葉は、ビビ以外にも、プレイヤー、特に私に一生に及ぶようなの影響を与えた。
生きるためには、自分の人生を選びとっていくためには、覚悟が必要で、千差万別の悩みの中で、いつだってするかしないかのどちらかを選びとり、そしてその中で波に潰されないためには、飲み込まれないためには、行動するときの基準を決める。
彼はその基準を、あくまで冷静に、自分の身の程をわきまえて、手の届く範囲の人間を守ると決めた。
そのリアリストであり、ロマンチストであり、そして弱者に寄り添うそのあり方に、胸の高まりが抑えきれなかった。
その後ジタンは、その彼のことが気になるエーコが盗み聞いていることに気づかず、ビビに気を晴らす良い方法、古来より伝わる男同士の友情を確認する儀式として、2人並んでの、満点の星空で並んでするのは気持ちいいというそれによって、虚空にきれいな弧を描くことになる。
そんな2人の友情に、ジタンの優しさに、ますますこの壮大なゲームのシナリオに目が離せなくなったものだ。
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