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スピードマスター山本真弘 極真時代高校で一般出場した伝説の戦い!

2021年4月15日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikukose

新極真会長崎支部出身のキック世界チャンピオン

我が故郷長崎の新極真会の出身者で、キックボクシングの世界チャンピオンにまで上り詰め、K-1でも活躍した男、日本が誇るスピードマスター、山本真弘がいる。

山本真弘は18歳から全日本キックボクシングにデビューして、それから前代未聞とも言えるほどの連勝記録を打ち立て、山本元気に引き分けで敗れた末に2度目の挑戦でチャンピオンになり、そこから石川直生、大月晴明らと名勝負を繰り広げ、しかしたvsムエタイではなかなか芳しい戦績を収められなかったり停滞期も迎えたりしながらも、IT’S SHOW TIMEと言う団体で日本人初にして唯一の世界チャンピオンに輝き、K-1でも戦うなどの輝かしい戦歴を誇っている。

それらの技術は幼少期の新極真会長崎支部で培われた。

そして長崎県大会は、高校生の部、一般の部で分けられ、同時開催されている。

高校卒業後に長崎を離れ、東京の藤原ジムに入門してキックボクサーとなった山本真弘は、通常であれば一般の部に出場することは叶わないはずだった。

高校全国大会二階級制覇

しかし山本真弘は、高校1年生で1年から3年まで出場する高校生の部で3位に入賞し、さらには高校2年生では早くも優勝、しかもその時他流の全国チャンピオンとして出場してきていた田添を退けての価値あるもの、しかも全国大会に出場しそこでも圧倒的な力で優勝すると言う離れ業を見せつけている。

さらに3年生では全国大会2階級制覇という偉業を達成し、ついには例外的な高校3年生にしての一般部にエントリーを果たす。

高校生までは頭にはヘッドギア、両手両足にサポーターをつけての戦いになっており、一般の部ではいきなりそれらを全て外し、さらには骨格や体重や筋力が違うので、通常だったら通じるはずのないものであるが、山本真弘はそれらを跳ね返した、ベスト16まで勝ち上がった。

相対するは、前年の同大会準優勝にまで輝いている強豪だった。

スピード、テクニックにおいてはすでにこの時点で完成の域に近いところに達していたが、なにぶんパワー、パンチ力、そして何より体重に於いて大きな開きがある事は否めなかった。

大人と子供の違い。

ルールの違い、慣れているか慣れていないか初体験か初体験じゃないかの違い。

あの無敵の山本真弘が負ける。

そんな現実が目の前に迫っている中、私は必死に声を出していた。

前年度準優勝相手に奇跡の大逆転一本勝ち!

負けるな山本真弘!

がんばれ、引くな、負けるんじゃねー!

その華麗にしてスピーディーで芸術的な組み手で、すでに道場ではファンなどもできていた。

私もその1人で、いや私などは特にその組み手に憧れを抱いていた人間と言えるかもしれない。

確かに圧倒的に条件は厳しく、どれだけの才能があろうとも厳しい戦いなのは間違いなのかもしれない。

しかしそれに加えて、私は山本真弘がそれまでどれだけ努力してきたかわかっていた。

遠い大村市から、わざわざ長崎の支部長である山田政彦が直接指導している諫早市まで毎週赴き、先輩に送ってもらい、徹底的に組み手稽古を行い、さらには道場稽古が終わった後にはミットを持ってもらって左右のミドルキックを100発ずつの蹴り込みを続けた。

そういった思いや努力をしているからこそ、負けてほしくなかった。

道場の仲間、後輩、そして子供たちが、一丸となって背中を押すように声を上げていた。

がんばれ山本真弘!

そしてその思いが通じたかのように、延長に入り対戦相手のスタミナが尽きたのか、動きが徐々に鈍くなり、それでも押し込もうとしてくる試合線ギリギリのところで踏ん張り、腹にパンチを集中させて、相手のスタミナをさらに奪い、そして全体重を乗せた左下段廻し蹴りで相手の視線を下げて、そして全く同じフォームからの左ハイキックが、相手の側頭部に炸裂した。

みんな、一瞬何が起こったのかわからなかった。

そして次の瞬間、歓声が爆発した。

あまりに、あまりにドラマティックな一撃だった。

あまりにドラマティックな展開だった。

こんなに胸を打つ戦いはないと思った。

それをセコンドで見られるなんて、信じられないと思った。

体重差はおそらくは20キロ以上にも及び、パワー、骨格において圧倒的に不利な中、耐えに耐え、忍びに偲んでの、大逆転1本勝ち。

後に聞いた話では、対戦相手はその一撃で、そのあまりの衝撃で、鼓膜が破れたと言う話だった。

まさにその時の山本真弘は、ヒーローそのものだった。

この1戦こそ、世に知られることのない、山本真弘伝説の、その幕開けであり、究極のものだった。

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