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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

受かる予感

 その後私は主に戦友と話し合いながら、作戦を立てつつ転職活動を進めていた。

 秋葉原に狙いを定めていくつか候補を挙げて、そのなかから具体的に絞って、電話をかけた。

 次に狙ったのは、電器店だった。

 少し中央から離れていて、中央通りと言うわけではなく、だが創立から時間が経っていて、しっかりしたところで、穴場的に狙ってくる人たちをターゲットにしていて、店内の雰囲気は落ち着いていて、かつ条件が大変良かった。

 その時は、少し体がふわふわとしていた。

 何か予感があった、ここに決まるような、そんな気がしていた。

 現場に到着して、案内してくれる人、そして店の雰囲気、全てが、ここで働いているイメージを喚起させてくれるものだった。

 話していて、こちらの事情も汲んでくれて、そして応対も素晴らしく、こちらもかなり楽しく気持ちよく面接していただき、終わった後は、かなりの充実感があった。

 なんとなく、ここに決まるんじゃないかと、そんな気がするほどだった。

 Twitterに、俺はもう大丈夫、きっとうまくいくとツイートしてしまうほどだった。

 どんな結果にせよ3日後には連絡すると聞き、その対応の素晴らしさも安心できる要因の1つで、私はその日を心待ちにした。

 果たして3日後、午前を終えて、午後になって、派遣が終わる5時を過ぎてもなお、着信はなかった。

 さすがに気になり、そして心配になり、失礼かとは思ったが、6時を過ぎたところで連絡を入れさせてもらうことにした。

 向こうの答えは2つ。

当たり前の落胆

 連絡しなくて申し訳なかったが、現在担当の者が留守にしている。

 そして結果は不合格で、その理由は担当の者がいないために明らかになっていない。

 この時の事は今でも昨日のことのように思い出すことができる。

 まさに、がっくりと肩を落とした。

 勝手に思い込んでいて、結局ダメで、その上連絡さえも滞って。

 自分が甘かったのだとは思ってはいるが、勝手だとは理解しているが、あの予感はいったい何だったのだろうとさえ思った。

 そして続いて、留学経験、小説を執筆経験が活かせると思って、英語図書館と言うところを受けようと思って、メールによる書類選考を応募した。

 そしてさらに空手の経験が活かせると言う事と、その戦友がやっていた経験があると言う話から、プールの監視員の仕事にも電話をかけた。

 英語図書館は、書類選考で落選した。

 おそらくはTOEICなどの具体的な資格がなかったことによる門前払いだろう。

 プールの監視員のほうは、そもそもが年間通しての仕事はではなく閑散期の9月から12月は休館するがそれでも大丈夫か、その上あくまで学生向けの足掛けであり、常に週4日とか週5日は働けないがそれでも大丈夫か?と言う話だった。

 もちろん大丈夫ではないので、丁重にお断りさせていただくことにした。

立ち塞がる現実

 予想通りというか、やはりというか、立て続けにうまくいかなかった。

 所詮こんなもの、自分など、世間に必要とされてなどいない。

 一瞬浮かんだネガティブな言葉を、なんとか振り払おうと抗う。

 この程度の事は慣れている、当たり前、そんなことで自分の価値を決めるなんて愚かなこと、それは理屈でわかっている、理屈ではわかっているのだが、なかなかそれを自分に言い聞かせる事は、想像以上に困難だった。

 とりあえず、そのプールの監視員に関しての電話を切ろうと、受話器マークのボタンに指をかけかけた、その時――

「ところでなんですけど、新宿に警備員の仕事があるんですけど、そちらはどうですか?」

 一瞬、頭が真っ白になった。

 2つの疑問。

 プールの監視員に応募して、なぜ警備員で、さらには秋葉原で働きたかったからそちらに応募したのに、なぜ新宿をススメるのか?

 よく、わからなかった。

 しかし電話先の相手の応対があまりに丁寧で、親身になっている印象があったので、とりあえず話を聞いてみたが、実際秋葉原のものよりもさらに時給が低かったし、当初の予定と違うので、とりあえず断ろうとすると、

「そうですか。でもまぁとりあえず、この電話番号は私の携帯電話の直通なので、何かあったらいつでも電話かけてきてください、待ってますね!」

 そのあまりのフランクさ、そしていつでもと言うところになんとなく受かりやすいのではないかと言う印象を抱き、そのまま電話を終えた。

 そしてそのまま、その日はたまたま戦友に戦果報告をしようと考えていたので、ランチを共にするために近くのサイゼリヤに向かった。

 うまくいかない仕事と、降ってわいたような話、それが頭の中で、うまく調和出来ずにいた――

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