不治の病――潰瘍性大腸炎闘病記②「下剤地獄」

2019年11月17日

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第二回目です。その時の心境を、僕はよく覚えています。

なんというか、ピンとこないというか。

なにを言っているか、温度差があるというか。

その時の僕は、すぐにでも日常に戻れるものだと思っていました。それが現在まで、そして未だわからない未来まで続くとは想像だにできませんでした。



 そして迎えた、検査当日。

「ぐ、おぉお……!」

 ぼくは病院の待合室で、死にそうになっていた。
 壁にもたれ、変な声が漏れる。

 甘かった。大腸検査は、想像を絶する過酷さだった。

 まず前夜の下剤で夜中に二回、トイレに起きた。

 さらに当日朝に飲んだ1リットルの下剤でプラス五回トイレへ行き、水便となっていた。おまけに病室で一リットル追加の下剤を飲まされ、更に10回トイレに行ってなお、下剤を500ミリリットル追加された。

「もう、もう飲めない……で、出ない……」

 全身のミネラル分がすべて吐き出され、ミイラにでもなりそうな勢いだった。

 こんなに辛いのに、辛いのにまだ飲まないと、出さないといけない――もういっそこっちが原因で病気にでもなりそうだった。

 それを見かねたのか看護師さんが、

「あの……大丈夫ですか?」

「正直……辛いっス。キツい、っス……」

「でしたら……浣腸、という手段もありますが?」

 マジでイヤだった。

 ぼくはそれを勘弁してくれと懇願した。すると担当医はそんなぼくを哀れに思ったのが、残存物を吸い込みながらの大腸検査を提案してくれて、ぼくは一も二もなくそれに乗らせてもらった。

 とてつもない開放感だった。ああ、コレで終わると。

 ぼくはまたも、甘かった。

「ぐ……お、ぅぉおぉおおお……!!」

 尻から硬く、太く、長いものがズリ、ズリ、と腹に侵入してくる。

 それは信じられないほどの圧迫感、苦しさだった。

 しかも見やすいようにと、同時にガスが送られる。正直いっぱいいっぱいだった、正直死にそうだった。世に、こんなに辛い検査というものがあるとは――ぼくはその瞬間、世界中の入院患者を心の底から尊敬していた。

 最深部まで達するのに、十五分くらい掛かっただろうか?

 途中何度か大丈夫? とかホラホラ見て見て、とか言われた気がする。
 ぼくとしてはそれどころじゃなかったから、さっさと結果が欲しかった。とにかくどうだったのかだけ教えて欲しかった――
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