Ⅱ/運命の日④

2019年11月9日

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 声すら出せない。

 それは信じられないような感覚だった。
 身体が無理やり開かれ、異物がねじ込まれるような。
 痛みとともに、それは同時に悪寒ともいえる感覚を呼び起こしていた。

 わたしの世界が、侵される。

 そんなこと、嫌で嫌で、我慢できなかった。
 耐えられなかった。

 これを本当に、心から――変えたいと、願った。
 そのためだったら、すべてを捨ててもいいとさえ、思った。

 命を、捧げる。

「――命を、捧げます」

 そう呟いた瞬間、細胞ひとつひとつが、わなないだ。

 その瞬間、アレクロアは確かに死んだ。

 しかし剣は、それ以上突き刺さることはなかった。

 そのあと何が起こったか、アレクロアは覚えていない。
 しかしどこからかやってきた兵がアレを介抱し、アレはそれにされるがままになっていた。

 ただ神と、契約していた。

 わたしはこの世界を救う、と。

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