死に至る病――うつ病闘病記⑲「わからない、なぜ?」

2020年7月24日

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正直よくわかりませんでした。

どうせ薄笑いされて、適当に流されて、それでも無理やり仕事を探させられてやっぱりうまくいかなくて、ただ余計に肩を落として帰るだけだと、そう考えていました。

なんでそんなに真剣にこちらの話を聞くのか。

なんで一言も口を挟まないのか。

私は戸惑いながらも、そのまま、すべてを洗いざらい、語り尽くしました。
その時の私には、言葉を装飾している余裕などありませんでした。

「どうして?」

逆に問われていました。
戸惑いは増すばかり。
何がどうどうしてなのかわからない。

その時の私には全てを、記憶する余裕がありませんでしたので、彼の言葉は断片的に残っています。

「なぜ、そんなに卑屈になる必要があるのか」

「なぜ、そんなに私があなたは責めると思うのか」

「あなたは、精一杯やってきて、素晴らしい人生を送ってきたじゃないか?」

言葉に詰まりました。
次の言葉が出てこない。
ただ、私の胸はうち震えていました。

私は笑われて、嘲笑されて、相手にすらされず、うち捨てられて、それで当然の人間だと思っていました。

だから何も成せずに実家に戻って、全てが終わるんだと、そう思っていました。いや、そんなことすら考えられませんでした。ただ、どうしようもなくダメだと。

だからそんな風に言われても、うまく頭を切り替えることなど出来ませんでした。

彼は、そんな私をまくし立てることなどしませんでした。
ただ全てを受け入れて、聞いて、その上で私の言葉を持っていました。

その時もし私にただただ前向きになれなどと説教されていたら、私はむやみやたらに反発していたかもしれません。

その日、彼は2時間もの間、私の言葉に付き合ってくれました。
私の心に寄り添ってくれました。
後に聞いた話ですが、ハローワークでは1人の相談は基本的に30分と枠が決まっているそうです。
彼はそんな規定を無視して、ただただ私のために時間と心を預けてくれたのです。

バカみたいな話かもしれませんが、その時の私に彼は、まるで関東の父のように感じられていました――

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