死に至る病――うつ病闘病記⑥「自由という名の牢獄」

2020年2月26日

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1人は平気だと思っていました。

ずっと、空手と、そして小説を志してからはそれと、追われてきました。

暇だと思うときは、ほとんどありませんでした。

さらに大学の4年間に加えて、ロンドンの2年間――留学中はルームシェアだとしても、1人で生活をすることには慣れてきました。

だからこそ、そこに不安はありませんでした。

それに東京では、大学で知り合った6人の友達がいました。

2人は地元に帰っていましたが、それでも4人います。
そのうち1人とは今回一緒に仕事を共にすることになりましたし、もう1人はそいつとの共同経営者、あとの2人は、ロンドンから帰ってきた時も、再度上京した時も、わざわざ忙しい中時間を作って会いに来て、飲み代を持ってくれた心許せる間柄。

ロンドンにいた頃から、会って、遊びたくて仕方なかった仲間たち。

もちろんみんな大人になっているからそうそう会う事はないし、それでも月に1度なんて言わなくても、たまには集まって酒を酌み交わすことぐらいはできるか、まぁできなくても、それでも仲間がいると言うだけでも、そんないろんな複雑な面持ちではありましたが、それでも大丈夫だと私は思っていました。

たった1人、自宅で在宅ワークをして、誰にも会わずに仕事を、家事をこなし、貧乏の中やりくりをして、週に3日、2時間空手の稽古をこなし、終電で帰る。

人としてまともな会話をするのは、その空手の稽古中の、三日間の合計をしても約30分にも満たない程度。

しかも内容は、ほとんど空手の筋力がどうこうとか、大会の成績がどうこうと言う話だけ。

その生活は100%に近いほど自由と言えましたが、

100%に近いと言えるほど、それは間違いなく牢獄でした。

人としての当たり前の日常会話を、交わすことができない。

毎日機械的に同じルーチンを繰り返すだけ。

徐々に徐々に、心がすり減っていく。

感情が希薄になっていく。

言葉の出し方がわからなくなってくる。

これが、本格的な鬱病の、闇の深淵を覗くかのような、それは入り口でした。
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