不治の病――潰瘍性大腸炎闘病記⑰「心を引き上げる」

2020年3月24日

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あまりにも長い間不幸のただ中にいると、突然の幸運を喜ぶことができないと聞きます。

誘拐された子供が、助けに来た警察官たちに縋ることができず、誘拐犯をかばい、彼らは決して悪くなかったと弁護することが多々あるということです。

しかし物事が好転する時は徐々にと言う事はほとんどなく、大体が急カーブを描いて本人の心を置いてきぼりにすると言うのも真実。

古今東西よく聞く話ではありますが、それこそ本人次第と言うことなのでしょう。




 下血回数が大体3から6回程度に落ち着いてから、また私は下血記録の記録方法を変えました。

 ただ単に回数だけではなく、その便の状態を記録するようにしたのです。

 それまではただただ便器を真っ赤に染めていたので、その必要はありませんでした。
 しかし回数がその程度で落ち着いてからは、便の状態にも明らかな変化が現れていました。

 全体が真っ赤だった状態から、半分程度はその物体、本来の色合いが見えるように。

 その次の時はまた真っ赤に戻るが、その次は全体の4分の1程度が通常の状態だったり。

 多分その頃になると、元々この記録をつけていたきっかけとは、また違った理由になっていたように思います。

 ただただ他に手立てがなく、何かにすがるようにその回数を刻みつけていた、その頃とは違い。

 自分で、ついていけないその状況に、心が追いついていけるようにと、客観的に現場を知ることができる手立てとして。

 そして長く戦ってきた結果として、自分が好転していると言うことをリアルに知る手段として。

 何より現実的な話として、調子が良い時と悪い時を見定め、その時の生活態度を比較、検討、改善できるように。

 ずっと、ずっと、原因不明の不治の病と言うことで、私はできることがなく、その状況はただただ嘆き絶望し苦しむことしかできませんでした。

 それからついに、ここまできました。

 自分なりに、何かしらの対策を、練ることができるかもしれないところまで──
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