ムエタイという幻想の正体③〜誰も紐解けなかった技術体系の真髄

2019年11月11日

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大前提として、相手にダメージを残さないと言うものがあります。

ムエタイでは、相手がいて自分が食えると言う暗黙の了解があるようです。

相手を倒してのし上がるのではなく、相手がいて、自分がいて、そして賭ける人がいて、そうやって自分が生計を立てる、そういうシステムができているようです。

ムエタイでは、メインイベントと言う概念が無いそうです。有名どころも初出場も、全く同じ演出で、スモークなどが叩かれることもなく、観客もそれ目当てと言うわけではなく、純粋に賭け事のために来ている──最近では少々事情も変わっているようですが、それはまた次の機会に。

だからこそ、本場のムエタイでは、ほとんどローキックが見られません。

ローキックのダメージは、その試合中はおろか、ひどい時は1ヵ月近くダメージが抜けない時すらあります。

だからムエタイで、ローキックでのKOを狙っているような選手は、少なくとも私はほとんど見たことがありません。

そして顔面にもパンチの連打もほとんどありません。理由は前回述べた通り、脳のダメージは深刻な結果をもたらすからです。

そしてムエタイのルールでは、高い芸術的な蹴り、それが非常に試合の勝敗を分ける重大なポイントになります。首相撲のうまさも同様です。

だからこそ彼らは、ダメージにならず、蓄積もしない、ガードの上を狙った左ミドルキックを中心に据えているのです。接近したら首相撲。

そして倒すとしたら、肘による一発ノックアウトか、切り裂いてのTKO。

これを知ったとき、愕然としました。

私は、無意識に空の王である鷹を連想しました。

爪と、牙を使い、縦横無尽に飛び回り、その姿は決して捉えられる事はなく、一撃必殺で獲物を刈り取る。

まさに無駄のない、研ぎ澄まされたその姿を。

スポーツ化した他の格闘技とは、まさに一線を画しています。

だからこそ、その技、リズムを崩されたとき、もろい一面が顔を出すのかもしれません。
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