不治の病――潰瘍性大腸炎闘病記⑩「タスケテ」

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究極に追い詰められました。

恥も外聞もなく、まさに崖っぷちでした。

今まで自分がどれだけ安寧とした日々の中にいたのか、思い知らされてしまいました。

それこそ、溺れる者は藁をも掴む。

頼れるものがいないか、その時の自分が必死に探していました。




 嫌だった。

 何がじゃない、全てが。ずっと続く激痛も、治らない倦怠感も、そしてこれから自分を待ち受けるかもしれないすぐなる子雲。

 嫌だった、冗談じゃなかった。

 これから先これがずっと続くなんて耐えられない。

 ケツからステロイド剤を射つなんて嫌でしょうがない。

 大腸全摘出して人工肛門なんて、もう人間じゃないじゃないか!

「誰か、誰か…….」

 ほとんど無意識に、僕はつぶやいていました。

 誰だっていい、誰でもいい、とにかく誰かに助けて欲しい――助けて欲しい、この境遇から、この未来から、自分を救出して欲しい、その一心でした──

「あ…….た、確か、後輩が…….?」

 その時、僕は思わずつぶやいていた。
 私はその時潰瘍性大腸炎になったのは初めてのことだったが、タイムリーというか偶然にというか、それよりも約1年前に空手の後輩が同じ病である潰瘍性大腸炎に罹患していたのだ。

 その時は大変だなぁ、治って欲しいなぁ、と切実にではあるが他人事のようには思ってはいた。

 しかしまさか回り回って自分の身に降りかかるだなんて、その時の自分は想像だにできなかった。

「あ、あいつの……. LINE、は…….?」

 スマホをクリックして、LINEの画面を呼び出す。そして後輩のアイコンをクリックして、俺は文章を綴っていた。

『あのさぁ、ちょっと聞きたいんだけど…….潰瘍性大腸炎の薬ってさぁ、効くまでにどれぐらいかかるの?』

 とにかくこれが今の自分の全てだった。

 薬がいつ効くのか?

 既に使用し始めて、3週間以上が経過していた。だと言うのに症状は悪化の一途。

 これは普通なのか?

 それとももう効かないと言うサインなのか?

 それが知りたかった。知ったからといってどうなるものでもないというのが実際のところだが、とにかく何かにすがりたかった。

 助けて欲しかった。

 率直に言って、これが自分にとっての、歪曲された後輩に対するSOSだった──
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